大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2771 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人上村進の上告趣意は、末尾添付の書面記載のとおりである。

第一点について、

憲法二八条の趣旨は、昭和二二年(れ)第三一九号同二四年五月一八日大法廷判

決に示すとおりであつて、その団結権乃至団体行動権の保障を拡張して本件のよう

に酒税法違反被疑事件一審検挙の際押収された密造用器物返還などの要求貫徹のた

め蝟集した朝鮮人の団体(被告人は、その交渉委員である)と、その交渉の相手方

たる税務署長との関係にまで及ぼそうとする論旨は、とうてい採用できないもので

ある。原判決のこの点に関する判断もこれと同旨に帰するものであつて、論旨の理

由のないことは明らかである。

第二、第三点について、

所論は、原判決に副わない独自の事実関係を前提として被告人の判示所為が刑法

一三〇条にあたらないというのであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由にあた

らない。しかも被告人等は、判示A税務署長から午後六時をもつて交渉を打切る旨

告知され、次いで右限定時刻である六時を数分過ぎた頃同署庁舎の管理者である同

署長から退去を要求されたに拘らず、判示のような放言を弄して右署長室から退去

しなかつたというのであるから、被告人等の判示所為が刑法一三〇条にあたること

は論をまたない。そして同署長が右退去の要求をした後、署長室に在室しなかつた

としても、本件犯罪の成否に影響のないこと明らかである。所論は、独自の見解で

あつて採用できない。

第四点について、

所論は、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由とならない。

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なお、本件記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和二七年三月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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